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子宮筋腫とは
【子宮筋腫は良性の腫瘍】
子宮筋腫自体が生命を脅かすものではありません。
しかし放置しておきますと10kgを超えるような大きさまでになることもあります。
【原因は女性ホルモン・エストロゲン】
女性ホルモンによって筋腫が大きくなりますが、逆に閉経後には小さくなります。
【数や大きさはさまざま】
複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。大きさやできた場所によって症状が違ってきます。
できた場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)子宮外側(漿膜下筋腫)に分けられています。
どのような症状がありますか?
代表的な症状は月経量が多くなることと月経痛です。その他の症状としては月経以外の出血、腰痛、頻尿(トイレが近い)等があります。症状は、できた場所によってまちまちですが、子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなります。逆に子宮の外側にできた筋腫は相当大きくなっても症状がでません。ですから、治療法もできた場所や症状によって異なってきます。若い人では妊娠しにくくなったり、流産しやすくなったりするのも大きな問題です。
診断方法は
小さな筋腫は見つけにくいこともありますが、外来での一般的な診察と超音波を使って簡便に診断できます。大きな筋腫や手術を考える場合にはMRI検査をすることもあります。大きな筋腫では約0.5%に悪性の子宮肉腫が含まれています。子宮肉腫と子宮筋腫を見分けることは難しく、大きさや患者さんの年齢、大きくなるスピードで判断します。
子宮筋腫と漢方薬・東洋医学
手術を要すると判断をされない子宮筋腫の治療には、漢方薬が
役に立ちます。筋腫ができやすい人では、体質的に筋腫が出来やすいため2度3度と手術をくり返す場合がありますが、筋腫体質を改善するためには漢方薬を利用するのはよい方法です。
東洋医学的には婦人科系の疾患を「血の道症」と言いますが、まさに子宮筋腫はそれに該当します。
子宮筋腫、子宮内膜症、月経困難、更年期障害(更年期に起こるさまざまな不快症状)などは血の道症のグループであり、古い文献には、漢方薬で子宮筋腫が消失した例も掲載されています。
完全に消失させることではなく成育を止めたり、縮小させることは先人の過去の経験的にも可能です。
漢方薬には、ホルモンのバランスの乱れを整える働きもあります。ホルモンの影響で子宮筋腫が発生するのであれば、漢方薬によってホルモンの分泌を正常にすることで、筋腫の状態を改善することが可能です。そしてそれは、全身を本来あるべき健康な姿に戻すことでもあります。
子宮筋腫に用いられる漢方薬は、お血(血流のとどこおり)を解消し、血液のめぐりをよくする駆お血剤です。駆お血剤は子宮筋腫に限らず、婦人科系疾患の多くに用いられます。東洋医学では、血の道症は多分に、血液の循環の悪さ、水分の代謝(体内での物質の変化や入れ替わり)の悪さに起因していると考えるからです。